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安保法制違憲訴訟さいたま地裁第1回口頭弁論に向けての講演会

 

2015年9月に制定された安保関連法によって精神的苦痛を与えられたとして、国を相手に損害賠償を請求する訴訟(さいたま地裁)が、10月26日に第1回口頭弁論を迎えます。

口頭弁論を控えた2日、原告たちが決起集会を開き60人が参加しました。当日の講演と発言から抜粋で要旨をお伝えします。【取材=宮沢さかえ】

 

角田由紀子弁護士

角田由紀子さん(弁護士・安保法制違憲訴訟の会・東京共同代表)
講演:日本の危機・全国で今なぜ違憲訴訟か:法律家の言葉や過去の国相手の裁判などを紹介しながら、違憲訴訟の意義や効果などを語りました。

新安保法制を覆すには、2つのルートがある。政治ルート=選挙で政権交代をし法改正と司法ルート=裁判所に判断を仰ぐことだ。その中で、今なぜ司法か。憲法秩序を破壊する政治部門に対して、司法がどうあるべきか、その姿勢と司法の存在意義が問われていることは間違いない。(伊藤真さん=弁護士・安保法制違憲訴訟の会共同代表)

この訴訟は、司法への信頼回復に資するのではないだろうか。やっぱり、司法は国民の最後の砦だった(同)という実感を共有したい。

世論・理論・弁論の3論が一体となってなってこそ勝利できる。(深瀬忠一さん=憲法学者)恵庭・長沼裁判闘争の合言葉になった(内藤功さん=弁護士)。

裁判官や国側代理人にどう訴えるかについては、国は敵ではなく国民の1人として共有できることがあるのではないか?「裁判官や国側の検察官も、同じ法律家としてこの新安保法制法を許せるのか?見逃していと考えているいのかとの想いを共有できたらとも考えている」(国賠・違憲訴訟での伊藤真さんの陳述より)

原告も弁護士も共に学びながら、裁判をしていく。そして、語ること。裁判を傍聴する(注目している)ことが裁判官や国側代理人に見えることは大事。

全国に先駆けて訴訟を起こした東京が、いろいろな資料や情報を持っているので基盤はある。全国の訴訟で連携していく。全国の裁判所で違憲訴訟の公判が常に行われるようになることを目指したい。

東京は、2回目の日程が決まった。2回目があるということは、3回目以降もあると考えられる。多くの人の証言ができるようにしたい。

 

i伊須慎一郎弁護士

伊須慎一郎さん(弁護士・安保法制違憲訴訟埼玉弁護団事務局長)
第1回口頭弁論について:PKO5原則も守られない可能性が出てきた。憲法9条は、空洞化している。憲法で保障された権利、中でも平和的生存権が侵害されたとして訴えている。

民法か国の利益か?情報開示をして資料を集め、肉迫していきたい。口頭弁論は、傍聴席をいっぱいにしよう。

 

松本翔さん

松本翔さん(違憲訴訟埼玉原告)
祖父が戦争を体験していて、話は良く聞いていたし、学校の平和学習で学んでいるので、戦争についてある程度のことは知っていたつもりだ。でも、自分の言葉で語ることは難しい。

3.11震災を経験してからは、考え方が変わった。被災者の補償を求める活動などを見て、声を上げることが大事だと思って原告になった。

 

高橋章さん

高橋章さん(同原告)
満州開拓団として、渡満した。埼玉から7個団が参加した。開拓団と言っても実際に自ら開墾・開拓することはなく、地元民の耕作地を安値で強制買収し入植させる侵略団だった。

1945年8月13日に、迎えの列車が来ることになったが、団長が「日本が負けるわけはない」と断った。しかし、ソ連軍が攻めてくることがわかって逃げることに。その際、子どもたちは足手まといになると小屋に入れられて鍵をかけられた(その後、一緒に逃避できた)。

衰弱・餓死を待つだけの収容所生活を経て、最後の引き上げ船で帰国した。安心して生きられることがうれしかった。もう2度と戦争をしないと新しい憲法で誓ったのに、安倍政権は、閣議決定で再び戦争ができる状況を作り出した。絶対に許されない。

 

白田真希さん

白田真希さん(同原告代表)
コメント(後日):難しい裁判といわれていますが、やり勝つつもりで裁判闘争を戦いたいと思います。民主主義・立憲主義が踏みにじられているのを、黙って見過ごすわけにはいきません。 言葉の力を信じて、裁判官の良心に響くような法廷をつくりあげていきたいと思います。

多くの原告や賛同者が裁判所に詰めかけることが、裁判所や被告である〝国〟への圧力になります。どうか皆さん、26日はさいたま地裁へ足を運んでください。

 

第1回口頭弁論に向けて「がんばろう」と声を上げた

第1回口頭弁論に向けて「がんばろう」と声を上げた

 

■ 安保法制違憲訴訟さいたま地裁第1回口頭弁論
日時:2016年10月午前11時(傍聴券抽選=10時30分)
法廷:さいたま地方裁判所101号
なお、当日は午前9時50分浦和駅西口に集合して裁判所までデモ行進が行われる

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