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劇団俳優座公演「反応工程」~1945年夏 動員学徒達の青春
Categories: 文化・アート

 

「反応工程」への意気込みを示す者会見参加びみなさん

「反応工程」への意気込みを示す者会見参加びみなさん

 

5月13日から22日まで新宿・紀伊國屋ホールで劇団俳優座の「反応工程が上演されます。さる3月21日に行われた記者会見からご紹介します。【取材=宮沢さかえ】

 

山崎菊雄さん

あいさつ;制作・山崎菊雄さん
私が大好きな俳優座の原点の文章を、読みます。74年前に書かれた手紙です。「僕も出たら、本当にしっかりした研究所を作りたい。本当にアカデミックな俳優研究から出発したい。地に足が座った劇団を作りたい。でも、本当にいつになったらはかない希望が実現されることか」-これは私たちの先達で創立メンバーの千田是也が岸輝子さんに宛てて1944年に「治安維持法で収監された巣鴨プリズンから出した手紙です。

この「はかない希望」が、1944年に俳優座として発足しました。先達たちが芝居をしたくてもできない時代に、今場合によってはいや確実に時計をその時代の方に回すという危惧の中で、この作品を通して平和をみなさんと一緒に考えさせていただきたい。これが制作意図です。

 

塩山誠司さん

あらすじ:職長・猿渡役=塩山誠司さん
「反応工程」というこの芝居は、宮本 研さんの戦後演劇界の記念碑とも言うべき作品と位置付けられています。研さん自身も学徒動員の経験があり、そこから生まれた自伝的作品構成となっています。

「反応工程」という言葉は、耳慣れない硬い言葉なんですが、戦争中では三池炭鉱で石炭を化学変化させて、その工程で爆薬を作ってロケット燃料を生み出すことです。舞台となる工場には、国策などで動員された学徒の青春が垣間見えます。そんな若者たちが主人公です。

1945年終戦間近の8月で、徴兵をギリギリで見送られていた学生の1人にとうとう招集令状が来るところから、話が始まります。戦争事態に疑問を持つ若者も当然いますが、そこに情報の規制や思想統制が厳然としてあり、「すごくさいなまれて葛藤していました」という生なましいことが書いてあります。

そのような究極の状態の中でこ人間ですから恋も生まれ、生きることの本当の目的などを、純真に考える人たちの物語があります。

戦争の中で事実を知りたいと思った若者たち、事実に背を向けた訳ではないのですが、そうすることでしか生きていくことができなかった大人たちも描かれています。続きは、ぜひ劇場で観ていただきた=いと思っています。

 

河内浩さん

コメント:山田洋次さん(成功させる会共同代表・映画監督)代読=河内 浩さん(出演)者)
かつてこの国は悲惨な戦争をしていたこと、そして戦争後新憲法の下で民主主義を目指して懸命に再生しようとしていたことを、戦後生まれの日本人に今こそ知ってほしいと願います。

 

脇田康弘さん

コメント:加藤 剛さん(同・俳優座俳優)代読=脇田康弘さん(出演者
戦争のない平和な世界を実現させるために戦争放棄をした日本国憲法第9条は、世界に誇る人類の英知です。不幸な戦争で生命を失った人びとが遺してくれた夢の形見です。戦争とは、人を殺し殺されるもの。私たちは、過去の誤った戦争を正しく知ることそして未来永久にこの9条を守っていくことこそが、死んでいった人びとへのせめてもの恩返しだと思うのです。

私たちは演劇表現で、平和な世界を望む人たちと共同の輪を広げ、文化の力で人びとが幸せに暮らせる平和な世の中にしましょ

 

奥田愛基さん

奥田愛基さん(「成功させる会」共同代表・SEALDs)
文化・演劇・映画などの今の時代を映すものは、全く共感できないものは「何でこtrをやったんんだろう」と思うんですけれど、逆に何で今の時代にこういう演劇をしなければならないのかー僕自身も何で興味を持ったのかというと、戦後70年経ってそういう時近づいてきているのではないかと戦争を経験してきた人が特に言うんです。

実際には体験はできないんですけれど、演劇を観ることでまるで戦争の中にいるような体験をする。戦争のことがあまりにも遠い日のことというか具象化され過ぎていて感じられなかったことも、演劇を観ることで、今の僕とあまり変わらない人=おじいちゃんが戦争をやっていたと同じことだと思います。

俳優座の歴史もありますけれども、同じ歴史の中で自分たちが生きているということを、もう1度かみしめたいと思って、共同代表を引き受けて積極的に「反応工程」のことをやりたいと思いました。

 

タクヤさん

タクヤさん(同・T-ns SOWL)
俳優座などの演劇や劇団は、私たちのための大切な娯楽であるとともに、その時そのときの時代や戦争のことを映し出す立派な大切な文化だと思っています。

私は広く社会に訴えかけていくことができるものとして。「反応工程」が成功することをとても楽しみにしています。去年が戦後70年、今年に入って1週間後には安保法制が施行されます(記者会見時)。私たちは、俳優座の反応行程を通して反戦のためのメッセージを広く社会に訴えかけ、2度と戦争の悲劇を繰り返さないように訴えかけて行ければ良いなと思っています。

私はもちろん戦争の経験はありませんが、私のおじいちゃんは少し戦争を経験した世代で疎開などもしたのですが、今はその時代に少し似かよっていて、メディアの規制もどんどん厳しくなっているし、政府与党なども一党独裁のような形でものごとを進めるようになってきている。その中でこれ以上民主主義が壊されないようにしていくためにも、私たちが声をあげていくべきだと思っています。

 

〔出演者の意気込み〕

i伊東達広さん

ベテラン工・荒尾役=伊東達広さん
宮本研さんの脚本は骨太で、政治的なことは匂わせない感じなんだけれども、見終わった後にふっと立ち止まって考えさせます。みなさんに何かしら考えていただけるようにやっていきたいと思っています。

 

田中孝崇さん

動員学徒・田宮役=田中孝崇さん
田宮のセリフで、「正しいと思っていることを実行できないのは、勇気がないからです」というのがあるのですが、このセリフを読む度にチクチクしています。共感ができるところもありますが、(自分との)ギャップもあります。誠実に取り組んで田宮という役と上手いことやっていきたいと思っています。

 

小泉将臣さん

徴兵から逃れる学徒・景山役=小泉将臣さん
以前、鹿児島・知覧の特攻平和館に行った時に、特攻隊員が妻に宛てた手紙にこういう1節がありました。「もう1度君を抱きたい。子どもたちをよろしく」‐これを見た時に、言葉には表せない気持ちになり、僕たちと変わらない気持ちだと思いました。「反応工程」にも、大切な人を思う気持ちが溢れる舞台にするしかないと思っています。

 

後藤里奈

田宮の妹・節子役=後藤佑里奈さん
私にも、歳が離れた兄がいます。その兄がもし戦場行くことになってしまったら、私は本当に心配でたまらなくなってしまいます。当時の女性は、大切な人が戦場に行ってしまうのを、黙って見送ることしかできませんでした。私は自由を奪われるような国に再びなってほしくないです。同じ人間・若者として、自由・青春を奪われた環境の中で懸命に生きる姿を、精一杯演じたいと思っています。

 

■ 「反応工程」ウェブページ