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「表現の不自由展・その後」展示会再開を!緊急集会&記者会見
Categories: 文化・アート

8月1日に開会した、あいちトリエンナーレ2019の企画展「表現の不自由展・その後」が開会から3日で中止になりました。これを受けて、7日に衆議院議員会館で「『あいちトリエンナーレ・表現の不自由展・その後』展示会再開を!緊急集会&記者会見~今、風穴を。息苦しさを打ち破る=」が開かれました。

記事掲載まで間が空いてしまいましたが、これまであまり報道されていない出展者と実行委員の発言を中心にまとめました。【文・写真=宮沢さかえ】



マネキンフラッシュモブの表現の1つ


中垣克久さん

中垣克久さん(出展者):この事件いついて、私はなにも知らされていなかった。なぜ作家抜きでやられるのか、ものすごい怒りがあります。委員会だけでことがなされて、作家抜きで3日で終わり-これはなんなんだと、夢の中にいるような気持ちです。どこがおかしいのかは、私は当事者ですから大体見当はついていますけれども、、みなさん1人ひとりが、こんな状況で始まりことが終わって行くということを、考えてください。

この展示会には、作家の尊厳はあるのか、ブース全部がダメになることがあっていいのか?(芸術監督の)津田大介さんに、「なぜ僕の作品は展示できないのか書いてください」と言いました。まだ読んでいないのですが、事務所宛に回答が送られたようです。今回のことは、最初から内容を明かしたうえで、賛否を符jy寝てディスカッションの場にするとしておけばよかったのではないか。

朝倉優子さん

朝倉優子さん(出展者):「マネキンフラッシュモブ」(出展作品)は、2015年からちょこちょこ始めたのですが、街に出て、メッセージカード1枚以外は何も持たず、それが2人3人と集まってきてオブジェ・銅像のように立つ。ドレスコードだけを大体統一していて、色や柄で主張を表現したり、挑戦的差な=安倍政治に対することなどを表現しています。

2016年2月に海老名の自由通路でマネキンフラッシュモブをやっている時に声をかけてきた係員が、「届を出していますか」と言ってきて、「条例にある」と言われました
そこでは「やめてください」と言われなかったのですが、その中に市議会議員がいたことを、後日見つけて担当所に禁止の命令=行政処分を出しました。それをそのままにしていたら、受け入れたことになってしまうので、メンバーにも声をかけて提訴しました。

裁判の結果は勝訴でした。市は控訴せず、翌年条例も判決を考慮したような内容に変わりました。神奈川県内の自由通路に掲げられえた法的根拠がない「行為禁止」看板が撤去されました。このようなことも含めて、あいちトリエンナーレに参加しました。

私はまだ展示を見ていません。作品が閉じ込められている。再開を希望します。

「九条俳句」

武内 暁さん(「九条俳句」市民応援団):小さい声・当たり前の行動をなぜ、最高裁=判決は勝利までしなくてはならなかったか。その力を、再びまたここでやらなくてはいけないことがあってはならないという想いを込めて集会と記者会見をやっていきたい。

永田浩三さん(実行委員):(会場からの発言)表現の不自由展には、実行委員が5人いてその1人です。中垣さんと一緒に設置作業をしましたし、九条俳句の色紙は私が運び、フラッシュモブの写真をつないで画面を構成も私がやりました。

昨年、津田大介さんから「表現の不自由展」をあいちトリエンナーレでやりたいと言ってきたので、「公的なスペースでやるのは、私設ギャッリーでやるのとは違ってハードルが違う。意見が違うさまざまな人たちとの覚悟が必要でしょう」といろいろしながら準備を進めてきました。

今問題になっている警備体制などについても、相当詰めて準備をしてきました。1番堤防が決壊したのは、電話攻撃ですが。苦情というレベルを越えて、公務員へのハラスメン?だと思います。

3日で中止になったことについて、作家に対してのリスペクトがなく今日までないことは悔しくもあり、キュレーションを担当した者として悲しくもあり責任の一端を感じています。展示の再開を望んでいます。

小倉利丸さん

小利丸さん(実行委員):(同)6日に愛知県に公開質問状を提出しました。展示会公開中止について、理由も含めて文書でもらっていません。口頭説明=津田さんから話を聞いたのも、たまたま愛知に残っていた2人だけです。公開質問状を出しましたが、「こんなこともしていないのか」という状態です。

今、メディアも入れない状態になっています。メディアが取材できない。公開後2日めくらいからなのですが、会場内を取材する時に、写真撮影NG・来場者に対してインタビューもダメということが紙で配布されました。これは、報道の自由も侵害でしょう。なぜメディアは怒らないのか、腰が引けていると思います。

自治体と利害関係のないメディアには書いてほしい。歴史認識と天皇の表現は、検閲の大きなポイントになっている。

志田陽子さん

志田陽子さん(憲法学者・表現ネット代表世話人):「公権力が、表現の内容に踏み込んで選別や取捨選択をすることは、厳に慎むべき」という憲法の1番重要な原則が問われている。税金を使って文化芸術の支援をすると宣言している国で、今回の事例に限って「なぜ税金を使うのか」を問うならば、文化芸術支援全体を問わなくてはいけないという、大変大きな問題に発展すると思っています、

田島泰彦さん

田島泰彦さん(元上智大学教授・「表現ネット」共同世話人)わが国の表現の自由は「ちょっとあぶない」というレシピベルではなく、表現の自由の重要な部分がかなりズタスタにされているのは事実です。

すでに規制・統制が進んでいて、最終的には体内のことまで取り込んで関知しましょうというというところまで来ている。根顔のことは、偶然・偶発的なことではないということを、しっかり受け止めて考えることが大事だと思います。脅威・暴力に対しては、「展示の中止」ではなくて、全力で守ること。

荻野富士夫さん

荻野富士夫さん(小樽商科大学名誉教授):連想したのは、2014年の朝日新聞で従軍慰安婦のことを書き退職して北星学園の非常勤講師だった植村隆さんに対する、卑劣なバッシングと大学に対する脅迫です。

今回の事件の根本にある問題も、1つには民間(ネット)からの世論の焚き付け・炊き上げが大きな意味を持ち、公権力を持った市長や官房長官がそれに呼応する形で状況が拡大していった点が、植村さんの時と非情に良く似ていると思います。

多くの人が、戦時体制に向かっていることを危惧しながら、支援や反発の声が上がっているのは、再び戦前に立ち返ってはならないという考えを確保しているからだと思います。展示会が再開すれば、良き前例として近代史に残っていくでしょう。

醍醐聡さん

醍醐聡さん(東京大学名誉教授):今回の事件が起こって、署名の呼びかけをしているですが、思い立った個人的な大きな理由は、2005年に、NHKが「従軍慰安婦」を扱った国際戦犯法廷を取材した番組が、、放送直前にズタズタに改ざんされてしまった事件が起こりました。その時に、改ざん前の番組を観る集会を東大経済学部の教室を会場に貸したところ、始まる前から学部の事務所と本部にものすごい猛烈な電話がかかってきて、「天皇有罪などと言っている不届きな者が主催する集会に国立大学の教室を貸すのはけしからん」ということで、会場を貸した私をやめさせろと言っているきました。

私はどうということはなかったのですが、当日突入して来たらどうするか、と警備のことを一生懸命考えていました。それから14年経ってまた同じようなことが起こって、非情に深刻に感じています。

いろいろな考えがあるから、考え合うのは良いことですが、今回のことはそれで終わって良いのでしょうか?寛大な対応をして事なきを得たから良かったで良いのでしょうか。

■ 「表現の不自由展・その後」ウェブサイト