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映画紹介:「セカイイチオイシイ水~マロンパティの涙」
Categories: 文化・アート

明日香=辻美憂さん (C)セカイイチオイシイ水製作委員会

今から約20年前の実話が映画化されました。当時日本に留学していたフィリピン人から、「故郷=パンダンに井戸を掘ってほしい」とアジアでボランティア活動をしていたNGO「アジア協会 アジア友の会」に電話があったことから始まったプロジェクト。


水道プロジェクトの中心的存在・岩田=赤井英和さん (C)セカイイチオイシイ水製作委員会

依頼があった井戸では、安全な飲料水を提供することが難しいことがわかり、水道を引く計画が持ち上がります。しかし、きれいな水源=マロンパティまでは10キロメートルもあり、丘も越えなければなりません。また、、この島には先の大戦でで120人の町民が犠牲になったことから、日本に対する悪感情が残っているところでした、


(C)セカイイチオイシイ水製作委員会


さらに、工事費用は多額に上るがプロジェクトにかけられる費用は限りがある、とさまざまな困難がある中で日本とフィリピンのボランティアによって手掘りのパイプの敷設工事が始まりました。

9年の歳月を経て開通した水道の水を飲んだ町の人たちが叫んだのが「セカイイチオイシイ」でした。映画のタイトルがカタカナなのには、意味があるのです。


アミー(右)=ミエル・アスピノーザさん (C)セカイイチオイシイ水製作委員会



もう1つ大きな話が描かれています。水道ができるまで町の人たちが飲んでいた井戸水は、塩分が高く汚水も混じった水だったため、高血圧や心臓病を患う人が多く出ていました。

主役の明日香(辻美優)がホームステイをした家の娘・アミーも腎臓を患っていました。フィリピンを代表する子役=ミエル・エスピノーザさんの名演技が、リアリティを増しています。

折しも、台風の被害で停電や断水が続いた日本では、「水の大切さ」の実感を伴ってこの映画を観ることができる人が多いのではないでしょうか。【宮沢さかえ】



    


■ 「セカイイチオイシイ水」公式ウェブサイト
2019年9月21日よりユーロスペースほか全国順次公開
監督:目黒啓太・2019年/日本/91分/企画・制作:株式会社パラサング/配給:太秦
原作:『マロンパティの精水 いのちの水の物語』小嶋 忠良著(PHP研究所)