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けせんへ来てけらっせん~動画「けせん」とデジタル公民館
Categories: 文化・アート



動画「美しいクニけせん」



気仙は、岩手県大船渡市・陸前高田市・住田地域の総称。その魅力を伝える動画ができたとの情報を受け、あの日から9年経った3月11日に紹介することにしました。後半には、制作担当者に経緯や地域のみなさんの声を聞き掲載しました。【編集長・宮沢さかえ】


    



 

現在、3.11の被災地は大震災以降に余りにも多くの災害が全国至る所で発生していること、もうすぐ10年の月日が経とうとしていることもあり、地域に暮らす人びとにとっては風化防止や心の復興など、新たな生活課題に直面しています。

そこで、被災地域の方がた自身に気仙の魅力を再発見して頂くこと、交流していただくこと、世界中の人びとにもっと地域から情報発信して、気仙を知っていただき、訪れてもらい地域を手作りで振興させることを願って、この映像を制作致しました。気仙に思いを寄せてくださる方へ1人でも多くの方に観ていたたなら嬉しいです。


〔デジタル公民館〕
経緯:この活動は、2011年に仮設住宅の集会場で始まりました。当初は学生ボランティアによる主に仮設住宅の子どもたちに対するものでした。その後、仮設住宅のすぐ上の高台にある公民館に活動場所を移して、PCよろず相談として活動を続けました。


大船鷺屋台村 2012年6月撮影=宮沢さかえ


そして、「デジタル公民館」という地区公民館の情報を発信するサイトや電子メールの利用環境を整備しました。ところが、思うようにその利用は広がりません。WEBサイトや電子メールは伝えるツールに過ぎなかったからです。そこで、Facebookをみんなで学んで友だちになって、東京に帰っても普段から伝え合うことにしました。

するとどうでしょう。今では椿や片栗などの季節の花や、ウニや鮑の開口や、悪魔祓いなどが毎日のように大船渡の自然や歳時記が投稿されるようになりました。

災害公営住宅や自力再建が進み、仮設住宅もグランドから撤去されて、高齢化がもたらす新たな生活課題の解決が話題になるようになり、地域の活性化や振興について取り組み始める方も見られるようになりました。



高田の一本松
オブジェとして復活する前の高田の一本松 2012年6月撮影=宮沢さかえ


そこで昨年、岩手県が公募した「被災者の参画による心の復興事業」に応募して、PC・スマホについては一定以上のリテラシーを身につけられたみなさんの次のステージとして、地域振興のための情報発信を提案することにしました。

被写体は、気仙の魅力を象徴する気仙大工にしました。気仙大工を映像化することで気仙のみなさんの誇りに気づいていただけるのでは頂けるのではないかと考えたからです。


気仙大工左官伝承館に灯る「希望の灯り」(神戸の灯) 2013年4月撮影=宮沢さかえ 


地域の皆さんの思い:あんなことがあって、高台に家を建てたけれど、高台移転をきっかけに、家から外に出ることが徐徐に少なくなった。
生まれ育った家に戻りたい。
幼馴染や隣近所の人たちと再会したい、
また同じ場所で暮らしたいとの思いが募るばかりだ
と聞きます。

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