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WITHコロナの時に〔3〕演劇・映画・ライブ3者の動きに視る
Categories: 文化・アート



新型コロナウィルスの感染者急増に伴い、日本全国に「緊急事態宣言」が発せられました。それ以前の自粛要請から、対象となった事業や一斉休校に伴う生活や仕事への影響は、計りれないものがあります。
医療機関や従事者への対策・補償が最優先であることは言うまでもありません。けれども、眼に留まりにくく、平時でも社会保障・生活補償が行き届いていない人たちにも、死活問題が迫っています。

そこでWITHコロナの時に、ウェブマガジンのたる的に必要と考えることを発信します。【宮沢さかえ】




3回めは、演劇・映画・ライブ3者が連携した取り組み「文化復興基金をつくろう」についてです。省庁要請後の記者会見内容を、リリースされた公式リポートの抜粋(1部編集)でお伝えします。

新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、政府からの自粛要請により、演劇・ライブハウス/クラブ・小規模映画館(ミニシアター)をはじめ芸術・文化のあらゆるジャンルで存続困難な状況が発生しております。この度は、第2次補正予算に向けて、「演劇緊急支援プロジェクト」「Save Our Space」「SAVE the CINEMA プロジェクト」の3団体が業界、団体の垣根を越えて連携しました。

統一要望書を手渡す渡辺えりさん
公式レポート画像


5月22日には永田町の衆議院第1議員会館で、文化庁・文部科学省・経済産業省・厚生労働省の4省庁に対して、要望書を提出。コロナ時の補填のみならず、コロナ終息後のさまざまな包括的支援と文化育成のあり方を提言し、復興支援の土台作りを要請しました。

省庁に向けた各業界の現状の説明を受けた文化庁の担当者からは「現場に寄せられた要望書につきましては、切実な声が寄せられているいうことで。我われも支援策を検討していく中で、参考にさせていただき、こうした声に応えられるよう立案を進めております。内容につきましては、全力を尽くしながら、現在、予算も含めて検討をすすめております。それも大詰めのところにきていますので、こうした要望に対応できるように、本日いただきましたご要望の中身をもう一度、しっかりと受け止めながら、政策立案・支援策をしっかりとすすめていきたい思います」という声が寄せられました。

最後に日本劇団協議会の福島明夫氏が「先ほどから僕たちが質問すると、まだ検討中です、準備中ですという話になりますが、そのプロセスの中に我われ、現場の意見をぜひ反映させていただきたい。一緒に協議してこの危機的状況を乗り越えませんか? ということをお願いしたい」と呼びかけると、文化庁の担当者も「大変重く受け止めまして、しっかりと対応していきます」と決意を述べました。

統一要望書を手渡す渡辺えりさん
公式レポート画像

要請後には各団体の代表者が集まり、記者会見が行われました。その場で出た主なコメントは以下の通りです。

馬奈木 厳太郎さん(弁護士):文化の守り手であるべき文化庁が、十分といえるような支援をおこなっていない中で、これを各業界の力だけで乗り越えていくことはなかなか難しいような現状を踏まえて、ジャンルを越えて横に手を伸ばして、ともに声をあげていこうじゃないかと。そういう経緯で今回の共同キャンペーンが始まることになりました。

舞台と音楽が共同で行うのはおそらく初めてじゃないでしょうか。しかしこれは決して、貴重であるとか、意義があるだけでは語れない現実があります、それは、ジャンルを越えて手を携えないと、この危機を乗り越えられない、という危機感によってつながった連携であります。

諏訪敦彦さん(映画監督):「SAVE the CINEMA」は、任意のメンバーが集まって活動してきました。ここに来るまで、いろんな意味で非常に勇気づけられる時間だったなと思います。プロジェクトが立ち上がって、普段、会うことがない映画の人間が自然と集まって。集めた署名は8万に達しました。クラウドファンディングもスタートして、目標の1億円が3日で突破し、最終的には3億円を超えました。

演劇人と音楽人と映画人が集まって、ひとつのテーブルについて声を届けるのは希望だなと思いました。わたしはヨーロッパで長く活動してきたのですが、ヨーロッパの文化支援は恵まれています。日本にいると、文化芸術制作の足りないところが見えてくる。ただそれが動き始めているんじゃないかという希望も見えてきます。今日の要請も、明確な答えはなかったですが、何かが動いていく可能性があるのではないかなという、そういう希望も持ちました。


スガナミユウさん(LIVEHAUオーナー):今回、「Save Our Space」はライブハウスや劇場への助成ということで始まったんですけども、4日間で30万筆以上集まりました。中には加山雄三さんや坂本龍一さんなど、今活動しているたくさんのアーティストの方にも賛同いただいきました。それはやはり場所への愛情、ライブハウスやクラブから育ったということも動機となっていると思います。

わたしたちはボトムアップから文化を支えるような役目、世界に羽ばたく人もたくさん輩出している。そこが愛されているんだという実感がありました。今、感染拡大防止ということで、そこが1番重要ということは理解しています。ただ「3密」と言われるたびに、ぼくたちは首を絞められているようにきついんです。そもそもそういう商売だったんで。安倍さんや小池さんからライブハウスに行かないでくださいと言われるたびに、今までの全部を否定されているような気がしてしまう。

4月からどんどん店がつぶれていって。救えなかった店もたくさんあるので、国には文化が殺されないように、迅速な支援を求めますし、我々は事業者的な側面もありますが、それだけでなく文化を担う側面もあるということも認識していただきたいと思います。




渡辺えりさん (劇作家・・俳優):わたしも演劇によって命を救われた人間です。ミニシアターとライブハウスに育てられて、演劇によって65歳まで生きてくることができたんです。ですからその恩返しをしたいと思っています。先ほどの質疑応答を聞きながら泣いてしまったんですが、ここに集まっている人って儲けることを考えてる人ってひとりもいないんです。自分たちが作ったものの愛情を与えたいという人だけが集まって、それで要請している。だから話もすごく説得力があって。どれだけ切実かとおっしゃっているんですが、そこには愛があるんです。

ものを作る時は多くのスタッフが必要で。、の人たちを育てる場が必要なんです。その育ててきた場が、ライブハウス・ミニシアター・演劇なんです。わたしは山形出身なんですが、演劇はさくらんぼと一緒だと思います。実をとって食べるまで本当に時間がかかります。田畑を耕して、本当に手間暇がかかるんですが、その木を皆さんで育てて、一緒に収穫して、一緒に実を食べる感覚で、手を取り合って、支え合って、一緒に頑張っていきましょう。

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