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映画紹介:香港画~衝撃と怒りの28分
Categories: 文化・アート






「香港画」の公式サイトを開くと、「抗(あらが)う」の文字が目に入ります。抵抗・抗議、どちらもこの映画で表現されていることですが、どちらとも微妙に違う意味合いと力がこもった言葉のように感じます。

香港の民主化闘争が激化した2019年を1日の動きに見立てた構成になっている、28分のドキュメンタリーです。




堀井威久磨監督は、同年10月にたまたま滞在していた香港でデモ隊に遭遇し、半ば巻き込まれるようにしてデモ隊に付いていき、参加者の若さや戦闘部隊に女性が多いことに驚き、撮影をすることになったと報道向けインタービューで語っています。

また、「自分が日本に生まれてこのかた、社会や権力に対し、概ね従順で平和な日常を過ごしてきた世代だという、負い目のよ うな認識がありました。ですので反抗する彼らの姿との落差に、余計に心を掴まれたのかもしれません」と、撮影をすることになったきっかけは自分の内面にもあったとも言っています。




登場人物たちもまた、政治活動をしようと思って行動したのではなく、已むにやまれぬ思いや香港を守るためであったことが淡淡と語られます。「自由を、生きる権利を取り戻したい」「抗議するにも非暴力で平和的な方法もあるかもしれないが、いくらその方法を取っても政府は無視し続ける」。警察の暴力を目の当たりにして、真反対の側の市議会議員になった人もいます。

香港のデモのようすは日本でも連日のように報道されていましたが、センセーショナルな1面だけを観ていては、デモ隊や抗議内容を見誤る可能性があると感じます。とてもリア宮沢さかえルであり、衝撃的な場面と静かに語られる場面が、淡淡と流れる映画です。【宮沢さかえ】

    


■ 「香港画」公式ウェブサイト
監督:堀井威久磨/2020年/28分/配給:ノンデライコ
2020年12月25日より渋谷・吉祥寺アップリンクにて公開中、全国順次公開

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