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職業がんをなくすために〔1〕厚労省レクチャーを受けて
Categories: 労働問題



大手アパレルメーカー(本社・東京)に勤務する40歳代の男性(氏名・顔非公開)が、中国の縫製・染色工場での検品の際に化学物質にばく露したことが原因とみられる膀胱がん(職業がん)を発症しました。これまでに3回がんが見つかり手術を受けいます。

最初の発症後に労災申請をしましたが、不支給に。その後、不服審査・再審査請求を申請しますが、いずれも棄却となり、現在は東京地方裁判所で国を相手に係争中です。

労働災害の実証・立証は、基本的に当人が行います。事故によるケガなどの原因と災害状態がはっきりしている場合と違い、発症原因や時期などの特定が難しいケースや職業との因果関係が認められていない傷病では、困難を極めます。

この男性の場合も、当時使用されていた化学物質の特定ができていないことが、「労災と認められない」最大の理由と見られます。現地が中国であり、コロナ感染症の影響で現地調査もままならない中、当時の調査情報や職業がん発生状況の情報を得るために、厚生労働省レクチャーが行われました。筆者も同席させてもらい、取材しました。

今後、折を見て職業がん・化学物質などを記事にしていきます。初回は、このレクチャーを受けての男性本人の感想を聞きました。【宮沢さかえ】



厚労省レクチャー=2021年1月参議院議員会館



今回のレクで感じたことは、やはり行政でやられていることはお役所と申しますか過去を踏襲し既に決まっていることをこなすだけの役割で、また説明はするだけで間違っていても是正はしないのだろうということです。三権分立の立法という立場から山添拓・参議院議員にお力添えいただき、基準を改正して頂けたらと思っております。

まず化学物質にばく露したことによる職業がんにならない環境にするために、化学物質リスクアセスメント(危険防止策)を義務化しているにもかかわらず、各企業に対して罰則が無く、その後の監査やチェック体制が無いので早急な改正を望みます。

レクチャーを求めた内容


また厚労省管理下において、過去につき化学物質リスクアセスメント施行による企業の罰則が無かったこと及び、チェック体制など管理体制不備だったので、福助を含め、ばく露履歴が残っていない企業が多数存在しています。よって過去の申請による認定要件については本省にりん伺(書類を回し承認 を得る)し、蓋然性から判断して頂きたいと思っています。具体的には過去の労災申請者に、ばく露した有害化学物質の特定などの過度な立証責任を負わせないことを望むものです 。


厚労省労働基準局が資料として提示した認定基準についての通知は、昭和51年発



労災は本来被災した弱者保護の観点からの制度であります。厚労省でやっていることが完全でない、管理不備があり条件が揃っていないのにも拘わらず、被災者側に過度な立証求める様な矛盾することをしていては困ります。

全がん死亡者の低く見積もったとしても5パーセント(日本では約2万人)の方がたが職業がんで死亡している可能性があり(国際調査)、こういった状況を国会議員のお力を借りて改善していけたらと思っております。

筆者付記:レクチャーの場で、「『化学物質ばく露の可能性があるが、特定ができず不支給』と通知に書かれている。可能性があれば100パーセント労災なのに、不支給というこはゼロということ。百かゼロではなくて、、少しでも可能性があるのならば追求してほしい」と言った言葉が印象に残っています。