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定年後の生き方―そば男“ひきたて・打ちたて・ゆでたて”にハマる!
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なる堵入口 定年のあるサラリーマンならば、誰でもその時期にこれからの自身の生き方に想いを巡らすでしょう。「蕎麦屋をしたい」という夢は結構巷でも聞く夢のひとつ。打って伸ばして蕎麦男、そばを打つという地味な行為のどこに中高年の男性諸氏は魅かれるのでしょうか。

 ここに、その夢を現実にしたひと組のご夫婦がいらっしゃいます。岩堀直二さん(63)、智子さん(61)。埼玉県狭山市で「手打ち蕎亭 なる堵」を2008年に始められました。『そばは越前のおろしそばに極まる』と宇野重吉は記していますが、店主直二さんのお父様は福井出身で大の蕎麦好き、365日毎日昼は蕎麦しか食べない人だったそうで、奥様はその義父様から越前おろし蕎麦の美味しさを伝授されたそうです。

 「団塊の世代がみんなこぞって社会の第一線から退いて年金暮らしでは若い世代に申し訳ない、元気なうちは何とか現役でいたい、何か社会の役に立ちたい、と一大決心して踏み出しました・・・・が、脱サラや定年後、私たちのように蕎麦打ちを習い、実際に開業にこぎつけてもお店が3年以上生き残っていくのは20%くらいだそうで、「なる堵」も中々自転車操業の日々です。

なる堵さんの店内 夫が59才の時、先ずそば粉のメーカー北東製粉(池袋)のそば打ち教室に二人で通い始めました。そこではそば打ちの手習いだけでしたが、間もなく独立開業を目指して江戸東京そばの会のプロコースに2人で通い始め、開店のための勉強をしました。そばの種類、国内と世界の蕎麦事情と蕎麦メニュー、接客方法、厨房での実際の仕事の段取り、開業のプロセス等々です。“1年目は無我夢中、2年目は大変厳しい、続けば3年目は少し違ってくる” とは修行先の先輩の言ですが、この8月でオープンから丸2年が過ぎ何とか3年目に入りました。まだまだ駆け出しですが『美味しかったです。また来ます』『今度は家族を連れて来ます』等々お客様の言葉に元気をいただいて多くの出会いを楽しんでいます。」と智子さん。

 蕎麦の美味しさは何と言っても先ず玄蕎麦に由るそうで、なる堵では3つの国産蕎麦を使い分けておられます。普通のせいろは茨木の常陸秋そば、かけ蕎麦は福井の奥越産の在来種、粗挽きは山形の出羽香りという具合。

 人気メニューはせいろ蕎麦+ミニ丼(親子丼、天丼、海鮮丼、じゃこおろし丼)のセット(1000円)や、お父様直伝の越前おろし蕎麦。 春には山形から直送された山菜使いのボリュームある天ぷら等々、どのメニューもとても丁寧に作られています。

なる堵さんのお食事 今回はせいろ+ミニ丼セットの親子丼(写真手前)を選びました。食後にはそばプリン―これまた美味―をいそいそと頂き、ダッタン蕎麦茶を楽しみながらお話をお聞きしました。丁度お昼時になりお客様が次々とお店に入って来られます。

 店内は畳の小上がり席と椅子席の落ち着いたたたずまい。雑誌「男の隠れ家」(グローバルプラネット・2008年9月号)にも掲載されました。

 智子さんは地域活動にも熱心で、お店の営業時間外に句会やコーラスの練習、セミナー等にも場所を提供されているそうです。

 お近くの方、是非一度いらしてみて下さいね。【川越やよみ】

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蕎麦屋 なる堵■ 手打ち蕎麦 なる堵(なると)

■ 埼玉県狭山市広瀬1-2-16

  TEL/FAX  04-2952-3159

  ヤオコー狭山店の正面通り向かい側。P有

■ 定休日:毎日曜日と第2月曜日(但し月曜日が祭日の場合は火曜日)