秩父鉄道・秩父駅から徒歩約5分。蔵造りの店が並ぶ通りから少し奥まったところに建っている蔵。それが、今回訪ねた「たべものや 月のうさぎ」です。

前菜=柿ときのこのオリーブオイル和え・生姜入りマッシュポテト・豆腐

主菜=車麩と冬野菜のあんかけ・雑穀米・汁物・香の物
「ウチは季節の野菜しか使いません」とは、店主の大畑としこさん。だから、夏野菜であるトマトやなすは冬には出ません。冬野菜が甘くておいしい季節です。輪切りの大根が良く茹っていました。

紅玉のアップルパイ

ラ・フランスパイ
スイーツは、100パーセント国産小麦を使用したパイ。月のうさぎでは、塩も使わないそうです。甘さも控えた素朴な生地で、中のくだものがしっかり存在していました。
月のうさぎは、蔵を改造してカフェ・レストランになりました。元は、染料蔵。秩父銘仙の産地らしい蔵です。「最初入った時には、汚れていたし、染料が入っていた箱がそのままゴロゴロ置いてありました」(大畑さん)。でも、壊してしまうのはもったいないと借りることを決めたそうです。
有機野菜にこだわる大畑さんにとって、原発事故による放射線汚染は深刻です。落ち込んで、このまま店をやめてしまおうかと思ったそうですが、「震災・原発事故を忘れないためにも続けようと思いました。長く・しぶとく、したたかに」と大畑さんはきっぱりと言っていました。
私が訪ねた時に開催していた「あのね展」は、初めての展示会。今後は季節ごとくらいに開催を予定しているとのことでした。次回は、来年4月に「よりそう器展(仮題)~兼子美由紀」の予定。【2011年11月27日撮影・文=宮沢さかえ】
■ 月のうさぎ 秩父市宮側町17-5 参號蔵
0494-22-2171
11:30~16:00(定休日=木曜日・第2・4金曜日)