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北浦和回遊美術館Ⅱ~北浦和西口商店街アート化計画
回遊美術館Ⅱ

北浦和出逢い景・山本耕一郎さん

北浦和回遊美術館Ⅱ

大人も子どもも?!「うわさバッジ」をつけてそぞろ歩き

 12月の初め、JR北浦和駅西口周辺で、商店街をあげてのアートイベント「回遊美術館Ⅱ」が開催されました。八百屋さん・お総菜屋さん・酒屋さんなど、いつものように営業する店舗の間を、大人も子どもも「今日は勝負下着らしいよ!」「遊びたい年頃らしいよ!」などという聞き捨てならないセリフを吹き出す「うわさバッジ」を着けてそぞろ歩き。

 

北浦和回遊美術館Ⅱ

八百屋にモビール・松本秋則

       

                北浦和回遊美術館Ⅱ

北浦和回遊美術館Ⅱ

社会芸術/ユニット・ウルス・安部大雅/鈴木一/野口眞一郎/長谷川千賀子/三木祥子/吉川信雄/吉田富久一

          

         

                             北浦和回遊美術館Ⅱ

 薬局の倉庫前には、モンゴルの遊牧民族の住居「ゲル」が建ち、中では竹炭のオブジェを前に有機栽培のお茶を飲みながら環境について語り合う人の姿が。

北浦和回遊美術館Ⅱ

ヒモを使ったインスタレーション・SYUTA

 お風呂屋さん脇の空き店舗では久々にシャッターが上げられ、中をのぞくと黒い紐を結んでできた人形がびっしりと壁に貼りついて・・・。商店街のいたるところにアートが入り込んでいる、という印象です。

           

         

                                 北浦和回遊美術館Ⅱ

                

                 

                                                    北浦和回遊美術館Ⅱ

 このイベントのサブタイトルは、「北浦和西口銀座商店街アート化計画」。面白いのは、普段と同じつもりでお買い物に来た人や学校帰りの小学生が、「なんだなんだ!?」という衝撃を受けつつ、やがて「うわさバッジ」を着けたり、ゲルでお茶を飲んだりして、ついつい作品に参加している という仕掛けになっているところ。
 たとえ頑なに目をそむけ、足早に通り過ぎたとしても、そうは問屋がおろしません。自分の足が踏みしめた地面の痕跡が、数時間後には「痕跡絵画」として姿を現すのです。

 このすべての人をアートに巻き込む勢いを持った企画は、サイタマ・ミューズフォーラム(以下SMF)によるものです。SMFは「ジャンルの垣根を越え、芸術を愛する人びとが交流し、ともに活動する創造的な場づくりをしよう」という取り組みをしています。事務局の中村誠さん(埼玉県立近代美術館)にお話をうかがいました。

北浦和回遊美術館Ⅱ

サイタマ・ミューズフォーラム事務局・中村誠さん(埼玉県立近代美術館)

中村:SMFは、50人以上のボランティアを含む約130人の会員とともに、2008年から埼玉各地でプロジェクトを展開しています。北浦和西口商店街での企画は、「竹のサウンドオブジェを探して楽しいアート散歩」(08年)、「回遊美術館」(09年)に続き3回目になります。今回は特に「つながり」を重視し、作品の中に取り込む実力を持つアーティストに出展をお願いしました。

なかでも「うわさバッジ」の山本耕一郎さん(正式な作品名は『北浦和出逢い景』)は、なんと11月中旬から自宅を離れて北浦和に住み込み、人や街との関係づくりをしながら開催の日を迎えたという入れ込みようでした。イベント終了後も、この企画を体験してくださった商店街の方々とアーティストが直接にかかわっていけそうなアイデアがいくつも浮上していて、大変うれしいです。埼玉でアートを発表したり楽しんだりすることで笑顔や元気が増えていくことが、私たちの願いです。

サイタマ・ミューズ・フォーラム公式サイト