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シリーズ・震災復興に動き出した人〔3〕~小濱裕美さん(雄勝石)
Categories: 文化・アート

 

 3.11を境に大きく変わってしまった東日本。いえ、日本。失ってしまったものはあまりにも大きいのですが、これを機会に変えることができることもたくさんあります。変えなければ、失った命・物に対して失礼で申し訳ない気がします。「今自分でできることで何かしたい」そう考えて動き出している人たちを紹介するシリーズ。第3回は小濱裕美さん(仙台市在住)です。

                         ◇  ◇  ◇

小濱裕美さんと齋藤玄昌實さん

小濱裕美さん(右)と齋藤玄昌實さん
2012年1月7日 日本橋三越にて撮影
=宮沢さかえ

 小濱裕美さんは、株式会社ジェルブとエスプリ代表。2011年3月11日の震災で、ギャラリー部分(エスプリ)が被災したため、現在はサロン&スペース部分=ジェルブ定禅寺を女性3人で運営しています。

 震災以降は、復興のための活動に専念しているとも言えるでしょう。元もと、会社など経営向上のアドヴァイスを仕事としていた小濱さんは、復興支援グッズを作業所で製作するなど、それぞれの思いとできることを繋げてきました。

 そんな小濱さんが、今新たに立ち上げたのが、「雄勝石復興プロジェクト」です。硯石で有名な雄勝石は、東京駅や北海道庁・福岡県庁など・山形文書館などの屋根瓦として使用されています。3月11日の震災による津波で、石巻市雄勝も大きな被害を受け、海から20メートルに建っていた雄勝石ギャラリーも流されました。また、職人も被災して避難生活を送っています。

雄勝石絵

 津波に流された後発見された
 雄勝石絵と現地の写真

 しかし、流されたおかげで、かつて出荷される寸前だった石板が見つかっています。小濱さんは、石板を利用して雄勝石を復活させることを考えました。まず最初に動き出したのは、「JR東日本東京駅雄勝石絵設置計画」です。20センチ角の雄勝石スレートに石巻の子どもたちが絵を描き、108枚で1つの石絵を作ります。完成予定は2012年3月とのこと。

 この絵の原画監修は、雄勝石作家の齋藤玄昌實(げんしょうじつ)さんです。齋藤さんの石絵も津波で流されましたが、奇跡的に救い出された絵が数点あり、1月8~10日に東京・日本橋三越で開催された職人展にも展示されました。齋藤さんは、雄勝石を使った新たな工芸品作りにも意欲を示していました。

 「とにかく、伝統ある雄勝石工芸を復興させたい」と小濱さん。「全国にある雄勝石瓦を使った建物を訪ねてもらえるようにマップ作りを考えています。そして、そこでも石絵を描いてもらって、雄勝に飾りたい」という夢を描いています。
                     【文と写真=宮沢さかえ】

雄勝石復興プロジェクト協力者への記念品

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■ NPO雄勝石復興プロジェクト

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