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映画紹介:想田和弘監督作品 観察映画第6弾「牡蠣工場」
Categories: 文化・アート

 

(c)Laboratory X, Inc.

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「牡蠣工場(かきこうば)」のイントロダクションに「小さな世界から垣間見える グローバルで巨大な問題」とある。この映画を端的に表した言葉だと思う。瀬戸内の牡蠣の名産地・牛窓(うしまど)の牡蠣工場で、毎日ひたすら繰り返される殻剥き作業や、工場の人たちの話・現況からわかるさまざまなできごと。

それは、牡蠣工場だけではなく小世界は実はあちこちにあるのではないか?そのことを、「観察映画」=台本・ナレーション・BGMを排した想田監督独自のドキュメンタリー方法 だからこそ描け得たのだと感じた。

 

(c)Laboratory X, Inc.

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例えば、東日本巨大震災で漁場を失った南三陸町から牛窓に移り住んだ男性は、老齢化で後継ぎがいない工場を引き継いだ。南三陸は、津波の被害だけではなく原発事故の影響も受けた。

 

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例えば、働き手の不足。「3Kだから」という言葉が聞かれた。かつて、20軒近くあった工場が、今は6軒。高齢化と担い手の不足。そこで、数年前から中国から労働者を受け入れている。

外交では緊張が高まる一方で、観光客の激増・爆買いなどの話題が絶えない国との関係が絡んで見える。

 

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深刻な場面も多いが、笑いが起きるような場面やほのぼのとした映像も織り込まれている。個人的には、この猫が1番ウケたりしている。【宮沢さかえ】

 

      

■ 「牡蠣工場」公式サイト
2月20日よりシアター・イメージフォーラムにてロードショー ほか全国順次公開
2015年/日本・アメリカ/145分/配給・宣伝:東風