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映画紹介:「さとにきたらええやん」~7月23日から名古屋で上映開始
Categories: 文化・アート

 

さとにきたらええやん

 

大阪・釜ヶ崎にある「こどもの里」(以下さと)を描いた、ドキュメンタリー映画です。試写を観、関係者によるトーク(6月4日・東京で開催)の言葉から紹介をします。

こどもの里は、学童保育・ファミリーホーム(住居型養育)・つどいのひろば(地域拠点)などの事業を行っています。日雇い労働者の街と言われる釜ヶ崎という地域性もあり、さとを利用する子どもたちの家庭が抱えるものも簡単に付き合えるものではないように思えます。

 

さとにきたらええやん

ジョウ君の家で

 

さとのスタッフは、子どもを見守るためにも、親へのアプローチや相談に乗ることもしています。さとは、「こどもの」というより、「街の」里のようにも見えます。

私が1番印象に残っているのは笑顔です。チラシやポスターに載っている子どもたちは、輝く笑顔をしていますが、それぞれにしんどさやつらさを抱えています。だから、時には泣き暴力を振るうこともあります。

 

さとにきたらええやん

さとで生活をしていたマユミさん

 

それなのに、この笑顔。それは、、どこから来るのでしょう。心の豊かさは、金銭的な豊かさに勝るといことを実感しました。

 

「こどもの里」館長・荘保共子さん

「こどもの里」館長・荘保共子さん

 

映画に登場する「夜回り」も。印象的なシーンです。釜ヶ崎の公園で野宿する人たちを訪ねて話を聞いたりする活動を続けています。こどもの里の荘保共子館長は、「1982年に横浜で起きた、ホームレスの人を中学生が殺した事件が、とてもショックで悲しかった。釜ヶ崎も他人事ではなと思い、夜回りを始めました。

日雇い労働者に話を聞くことで、15歳の子が『土方のおっちゃんは、総理大臣より偉い』と言いました。野宿をしている人たちは、怠けている人・生きている意味がな人ではないことを学びます」と夜回りについて語りました。

 

重江良樹監督

重江良樹監督

 

さとのボランティアをやる中で映画にすることを思い立ったという重江良樹監督からは、「箱だけがあってもしょうがない。さとは、居場所。人と人との関係・つながりが大事なのだと思う。

映画を観て、元気になったり爽快感を感じる人もいるだろうし、いろいろとひっかかる場面があると思うので、何か感じてもらえたらうれしい」と公開前の一言がありました。

 

SHINGO★西成さんのステージシーン

SHINGO★西成さんのステージシーン

 

音楽・SHINGO★西成さんの歌も良い。「近所のおっちゃんに習った ここではこうして生きなさい バカにしない・けなさない・キレない 人は1人では生きていけんやろ?」「ココロとフトコロが寒い時こそ胸を張れ」。SHINGOさんのステージを最前列で聞いているジョウ君の顔は、最幸に輝いていました。
【文・トークの写真=宮沢さかえ】

 

     

 

■ 「さとにきたらええやん」公式ウェブサイト

6月11日よりポレポレ東中野、7月2日より大阪・第七芸術劇場にてロードショー。ほか全国順次上映
曾於語、自主上映も予定

監督:重江良樹/2015年/ドキュメンタリー/100分/宣伝・配給協力:ウッキープロダクション/製作・配給:ノンデライコ