ウェブマガジン・のたる
映画紹介:「人間爆弾『桜花(おうか)』-特攻を命じた兵士の遺言-」
Categories: 文化・アート

 

日本初の特攻志願兵とされている林富士夫さんを描いたドキュメンタリー映画「人間爆弾『桜花(おうか)』-特攻を命じた兵士の遺言」が、8月27日から上映されます。この上映は、林さんの息子の著書『父は特攻を命じた兵士だった』(岩波書店)の増刷、筑波海軍航空隊記念館での先行上映(終了)と林さんの遺品展示とのタイアップ企画となっています。

この企画と、海軍航空記念館による研究発表記者会見(6月23日・水戸市)での発言から、映画と特攻志願兵が作られた実態の一端を紹介することにします(掲載は発言順)。
【8月15日に向けて記す・取材=宮沢さかえ】

 

右から天田暦・小林三四郎・澤田正道・金澤大介各氏

右から天田暦・小林三四郎・澤田正道・金澤大介各氏

 

 

天田暦さん

天田暦さん(ラインプロデューサー・俳優)
今井雅之さんの「THE WINDS OF GOD」に出演することになり、特攻隊のことを調べているうちに、林さんに出会いました。最初は異次元の人と思っていましたが、話していくと、普通の人だと思うようになりました。

今回、異次元の人と話を進めて作った映画と記念館で林さんのことを多くの人に伝えられればと思います。

 

小林三四郎さん

小林三四郎さん(配給・太秦株式会社社長)
昨年6月に林さんが亡くなったこともあり、本来なら昨年上映するところでしたが、昨年は戦後70年で、戦争をテーマにした作品がたくさん上映されますので、敢えて1年年ずらしました。

1年後はどうでしょうか?どこか忘れられているようなところがある。記憶は風化するが、抗って止めるためにも、この映画を全国各地で上映したいと考えています。

 

林富士夫さん (C)Comme des Cinemas

林富士夫さん (C)Comme des Cinemas

 

 

澤田正道監督

澤田正道さん(監督)
戦争で、父親が亡くなった・子どもが亡くなったという話を聞き。死について考えました。日本人を隠して外(海外)から見て日本人であることを考え直しました。

林さんと出会い、死生観について考え直しました。特攻・カミカゼと言う究極の死に立ち向かった林さんと時間を共有し、映画に収めました。今は遠くに見える戦争が、決して遠くではないということを、この映画を観てもう1度考え直してもらえたらと思います。

 

金澤大介さん

澤大介さん(筑波海軍航空隊記念館館長)
〔映画公開・「特攻(カミカゼ)が容認されていく過程の研究」発表〕
林さんが遺した資料や本にするために書き溜めていた原稿などが段ボール箱で10箱以上見つかりました。映画の公開と合わせて、記念館で特別展示します。

最初に集められた20人の学生は、特攻を志願するならば封筒にその意思を表して箱に入れることになっていました。林さんは、自ら志願しさらに、出撃者を任命する役割を命じられました。林さんは、自分の決断で人を死に向かわせたことを、ずっと後悔していました。

 

特攻隊員がッ首に巻いていたマフラーの実物

特攻隊員がッ首に巻いていたマフラーの実物

 

林さんが遺した当時の記録(ノート)などから、彼が主張してきた以下の点が確かであることが判明しました。「1944(昭和19)年6月筑波海軍航空隊で海軍兵学校出身者を対象とした指紋が行われ、特攻部隊への志願の是非を問われた」

これらのことから、林富士夫さんが、日本初の特攻志願兵であると言って良いと判断しました。

 

映画「人間爆弾『桜花』」

 

     

   

映画「人間爆弾『桜花』」

■ 人間爆弾「桜花」公式ウェブサイト

監督:澤田正道/2014年/フランス/76分/配給:太秦

8月27日よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー