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韓国ドラマ「錐」の背景~信念を通して信頼を見せてくれた労働運動 10月16日から放送
Categories: 文化・アート

 

韓国には、イーランドグループという財閥大企業があります。現在も多くの若者が入社を希望している小売業界の企業です。 2006年から07年にかけてイーランド一般労働組合に所属していた正規職と非正規職労働者たちが行った、510日にわたるストライキを通して、小さなしかし意味深い成果を残した闘争はよく知られています。

 

ⒸJTBC ALL Rights Reserved

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正規職と非正規職が協力して模範的な連帯闘争を繰り広げ、また市民社会と地域住民まで一体となって、非正規職労働者の大規模な解雇を防ぎました。当時、ソウルワールドカップ競技場内に入っているイーランド系列の大型スーパーで座り込み中だった非正規職労働者を支持するため、多くの市民が競技場前の広場を埋めた光景を思い出します。

 

ⒸJTBC ALL Rights Reserved プラカードの言葉・左から「働かせるときは家族で、追い出すときは家畜か 皆さんのそばに労働合があります 社長は接待を受けて、主任は懲戒を受けるのか 私にとってプルミ(スーパーの名前)は家族でした」

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プラカードの言葉・左から「働かせるときは家族で、追い出すときは家畜か
皆さんのそばに労働合があります
社長は接待を受けて、主任は懲戒を受けるのか
私にとってプルミ(スーパーの名前)は家族でした」

 

このドラマは、当時の闘争を率いた労働組合幹部の話を扱っています。だとしますと、原作漫画家(千ぇ・キュソク)が当事者である非正規職労働者ではなく、ほとんどが正規職であった組合幹部活動家に焦点を当てたのは、なぜでしょうか?これは、闘争の結果として174人の非正規職労働者や一部の組合幹部が復職した代わりに、組合の中心幹部12人は、最終的に解雇されたためです。

イーランドグループは、非正規労働者の解雇を撤回する代わりに、その12人の復職を最後まで拒否しました。また、最近の裁判所の判決でも、彼らの復帰は認められませんでした。もちろん、彼らには他の選択肢もありましたがが、信念を貫きました。彼らはこう言いました。「正規職労働者が非正規労働者に信頼を与えることが最も重要だ」と。

 

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ドラマの登場人物イ・スインは、彼らを代表する委員長です。そして作家は、別の登場人物である活動家ク・ゴシンの口を借りてこう言います。「必ず1人ぐらいは錐のような人間が出てくる」。ところで、このような鋭い人は一晩の間に現れたのではなかったです。

ドラマも510日ストライキの前にあった03年の70日ストを素材としており、その前にも彼らは非正規労働問題を中心とした1997年の56日ストや00-01年の256日ストなどの闘争をリードしてきました。10年間にわたる経験と準備がなかったら、小さな勝利すら得られなかったでしょう。

残念ながら、現在も韓国の非正規労働者には、このような小さな勝利すら贅沢のように見えます。正規職労働者が非正規労働者の悲しみを無視することさえ非難することができないのが韓国社会の現実です。実際には、多くの場合、正規職労働者と組合が財閥大企業とともに「2重の敵」の姿をして現れるからです。解雇されたイーランド一般労組の幹部たちが信頼のために信念を貫いた理由です。

【金 直洙=韓国非正規労働センター政策委員】

■ 「錐」公式ウェブサイト

10月16日から、アジアドラマチックTVで日本初独占放送

視聴は、スカパー・J:COM・ケーブルテレビ・ひかりTVのアジアドラマチックTV★So^net・アジアドラマチックTV★HDで