ウェブマガジン・のたる
映画「さとにきたらええやん」上映後トークイベント~重江良樹監督×稲葉剛さん

 

重江良樹監督(左)と稲葉剛さん

重江良樹監督(左)と稲葉剛さん

 

ポレポレ東中野で絶賛メイン上映中の「さとにきたらええやん」!6月24日18時50分の回上映後には重江良樹監督×稲葉剛さん(自立生活サポートセンター・もやい理事)のトークイベントがありました。

 

稲葉剛さん

稲葉剛さん

 

トーク前に映画をみた稲葉さんは、初めに「ありがとう」と言葉にしました。

「こどもの里は『子どもの貧困』なんて社会用語もない1970年代からいまも続いています。映画のなかで子どもだけじゃなく、親の相談にものっていますよね。家族のなかにまでカメラは入っている。よく撮ってくれたと、感謝の気持ちです」

 

重江良樹監督

重江良樹監督

 

重江監督は、「さとにきたらええやん」を撮るに至った過程を紹介。

「8年前に偶然、釜ヶ崎のこどもの里に出会ったのですが、すぐに子どもたちが自分のことを受け入れてくれたんですよね。それから5年間、こどもの里に通いました。カメラはなしです。

ですが、橋下徹市政のもと、こどもの里のような施設の補助金がカットされるという事態がおこります。なんとか子どもたちや親たちの“居場所”を守りたい。それから半年ほど悩んでいたのですが、映像作品をつくることにしました。『絶対断られるだろうな』と思っていたのですが、荘保(共子こどもの里館長)さんに相談したら『いいんじゃない』と言ってもらえました。

 

さとにきたらええやん

本編画像

 

でも、『社会的にこれが正しい』というような表現は、苦手でした。ただただ、こどもの里の子どもたちはカッコいい!だから、子どもたちを撮ろうと思いました。現在、『子どもの貧困』という社会的ワードがありますが、『貧困』と言ってもいろんな事情やかたちがあります。(ジョウ君の)家族に入ってカメラをまわすところは、映画を観た方から『すごい』と言われますが、それをこどもの里ではみんなが自然にやっているんですよね。

 

本編画像

本編画像

 

実際さまざまな支援活動をおこなっている稲葉さんは、語ります。「わたしもホームレスの方への支援などをやっていますが、どうしても支援する側・される側に分かれてしまいます。人と人とが一緒にやっていくという感じが薄れてしまうんですね。『さとにきたらええやん』を観て、その原点を思い返すことができました」

最後に監督からひとこと。「かなり情報量が多いのに、説明が少ない映画だったと思います。まずは感情に訴えたかった。こどもたちを好きになってから、その背景をみていってほしいと考えました。人それぞれ、ひっかかるポイントは違ってくると思います。だからこそ、多くの人に『さとにきたらええやん』を観てほしいと思っています」

ポレポレ東中野は7月15日までで、最終日監督トークがあります。大阪第七劇ぎ藝術場では上映中、トークイベントなど多数開催予定!映画鑑賞に合わせて、監督やゲストの話を聞きたいという方は、「さとにきたらええやん」のウェブサイトでチェックしてみてください!

重江良樹監督の、謙虚であたたかい雰囲気を感じられるのも、トークイベントならでは。とてもおススメです。

「さとにきたらええやん」では、多様な社会問題が子どもたちを通して伝えられています。「貧困」という言葉ではとてもひとくくりにできないものが、子どもだからこそ語れるものとして表現されています。

その子どもたちのまっすぐさ・悲しみ・淋しさ、そして笑いが画面から飛び出してくる。
なるほど重江監督だからこそ、子どもたちと対等な目線でカメラを向けられたのだなと感じました。【文=やまだせいが・写真=宮沢さかえ】

 

■ 関連記事