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苗の親になりませんか?~福島の農家が作った苗を育てよう
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福島の農家が作った苗

福島の農家が作った苗

 

私は、数年来有機・無農薬生産者の野菜のお世話になっていますが、この注文を通して首都圏に住む人のお腹は、北関東や東北の野菜が満たしてきたことがわかりました。

2011年3月11日の震災と原発事故が起きて、自然と人間に配慮した農業を続けてきた生産者の顔が浮かびました。 どうしようと思ったときに浮かんだのが、福島の生産者が作った苗を別の場所で育てることでした。昨年から始め、2回目の今年も育てる仲間を募集します!

どこに住むのか・何を食べるのか・どんな意見を持つのか・・・など、原発事故が原因ですべてのことに対して1人ひとりが選択を迫られるようになりました。その選択の違いで、私たち人間がバラバラに分断されているように感じます。その原因は原発にあるのに、何でバラバラにさせられなければならないんだ? というところから、何か少しでも人間が繋がりを取り戻せる方法を模索しました。特に注目したのが、農村と都市の人間・生産者と消費者という関係の回復です。

食品であれば食べる選択に迷う人は、この問題に関わることができなくても、育てるという選択肢を増やせば少しは広がりが持てるかもしれない ということで着目したのが苗を育てることでした。育てる過程で自然や命についても思いを馳せられると思いました。

また昨年の実施のときから、寄付ではなく生産農家から正規で購入することにもこだわりました。それは、寄付では続いていかないと思いましたし、農業のプロの技にお金を払うという当然のことをしたいと思うからです。

苗をご提供いただく福島県の生産者は、原発事故直後から土壌対策を講じ、作物の根からのセシウム吸収を防いでいます。また、独自の厳しい放射能検査を実施する流通(例:大地を守る会 など)に乗せ、生産物は放射能不検出の結果を出し続けています。

実への放射能の影響は、苗の段階ではなく実になるまでの生育環境が左右します。トマト・きゅうり・なすなどの夏野菜は、放射性物質の吸収が野菜の中でも少ないことがわかっており(例:NPO法人チェルノブイリ救援・中部 の報告など)肥料には「カリウム」を多めに施すことによって、放射性物質の吸収を抑えることができます。

苗の親になりたい方は、根岸までご連絡ください。顔の見える関係にこだわり、受け渡し可能な関東地域の方に限らせていただき苗の数だけの先着順とさせていただきます。

■ 昨年の報告
昨年は、東京・埼玉・神奈川の各地で20株のきゅうりの苗が11家庭・個人の仲間によって育てられました。成長の様子をそれぞれ写真で撮り、共有アルバムに掲載して、生産者さんに送ることで、少しばかりですが写真を通した交流を試みました。今年もやりたいと思っています。【根岸朋子=写真・美術制作】

*初出=「求食時代