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子どもたちの笑顔のために~山車・神輿を修復して祭りが復活

 

さいたま市見沼区染谷にある八雲神社の天王様夏祭りが、地域の人たちの企画・参加で60年ぶりに復活しました。

 

練り歩きの戦闘はかぐら

練り歩きの先頭は神楽

 

 

万灯。かつては振り万灯で練り歩いた

万灯。かつては振り万灯で練り歩いた

 

修復された神輿。担ぎ手は片柳中学校生

修復された神輿。担ぎ手は片柳中学校生

 

練り歩きのしんがりは山車。片柳小学校生たちが引いた

練り歩きのしんがりは山車。片柳小学校生たちが引いた

 

戦後10年ほど経った1953年に、一度復活した天王様夏祭りも祭りの担い手が続かずに、再び途絶えていました。今回は、神輿と山車が修理・修繕されての復活。地元住民たちの地域に寄せる思いと、縁が実を結びました。

 

神輿を上げる時も息を合わせて

神輿を上げる時も息を合わせて

 

万灯の花も手づくり

万灯の花も手づくり

 

地域の人や保護者たちが沿道で声援を送っていた

地域の人や保護者たちが沿道で声援を送っていた

 

八雲神社がある地域はさいたま市の郊外で、自然も豊かに残っています。練り歩きのコース沿道にも緑がたくさん見られます。そんな地域が、「人気がない」と聞きました。祭りの復活には、地域の子どもたちが自信が持てる何かを作りたいという地域の大人たちの思いがありました。

神輿を担ぎあげる時に息を合わせること、重い万灯が傾き始めると、すかさず担ぎ手を代わる光景などを見かけて、子どもたちにも大人たちにも楽しくて必要な行事として根付くことを願いました。

【写真・文=宮沢さかえ】

 

休憩地点で。左から2人目センスを持った人が宮大工・角間信行さん

休憩地点で。左から2人目(扇子を持った人)が宮大工・角間信行さん

 

同地域在住の建築家・森 大樹(もり だいじゅ)さんに、祭り復活の経緯と子どもたちの感想などを聞きました。

さいたま市青少年育成会片柳地区会も、日頃から小中学校と連携して、地域の子どもたちの笑顔のために活動をしています。近年は新興住宅地も増え、年々地域の連帯感は失われるかのような気配を感じていました。 そんな折、育成会の会議で八雲神社の天王様祭りを復活させて、子どもたちに活躍してもらってはどうだろう?というアイデアが出て、動き出しました。

 

修理中の神輿部品 角間信行さん撮影

修理中の神輿部品 角間信行さん撮影

 

倉庫から出された修復前の神輿 森大樹さん撮影

倉庫から出された修復前の神輿 森大樹さん撮影

 

修復後の神輿 森大樹さん撮影

修復後の神輿 森大樹さん撮影

 

まずは大戦中に途絶えてしまった祭りの様子を調べることと、神輿や山車を始め、万灯や神楽のお面の保存状態を確認する所から始めました。当時を知る方が少ない中、氏子総代表が記憶されていた事や、地元の方がたを通じて文化財の修理・修復を手掛けられている彫刻家や宮大工さんとの出会いも、お祭り復活への大きな助けとなりました。

祭りの実施は、氏子のみなさんのご理解の下、地域の伝統校である片柳中学校の生徒が中心となり活躍できる場として企画しました。子どもたちを地域で育てるための取り組みに無くてはならない、顔を知る事や信頼関係を結ぶことに役立ったはずです。

練り歩きを終え、神社のまわりに腰をかけて貰ったハンバーガーや冷たいものを口にしながら、「思っていたより大変だったけど、楽しかった」と大人たちに話している声を聞きました。復活の祭りもまだ第1回目ではありますが、確かに地域の未来が見え始めてきたように思います。

 

■ 八雲神社(さいたま市見沼区染谷)

八雲神社

八雲神社は、出雲の国八雲現るから名づけられたもので、総本社は京都の八坂神社。さいたま市内にも何社かあり、氏神となっている。

 

万灯振り祭りの説明板 WEB上からダウンロード

振り万灯の説明板 WEB上からダウンロード