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「働き方改革」関連法可決・成立後の記者会見by過労死を考える家族の会
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反対や廃案の意見が多く聞かれた「高度プロフェッショナル制度」(「高プロ」)を含む「働き方改革」関連法案が2018年6月29日に開催された参議院本会議で可決・成立しました。これを受けて、この間精力的に「高プロ」絶対反対を訴え過労死の実態や遺族の思いなどを発言してきた「過労死を考える家族の会」(家族の会)が記者会見を開きました(会場=参議院議員会館)。

遺族・家族の会会員の発言抜粋を、発言順に紹介します。

 

小林康子さん(右)と中原のり子さん

小林康子さん:夫の健康診断の結果などは気にしていなかったが、過労が眼に見えるようになった頃、「こんなにつらいのに正常だ」と言っていたのを思い出す。過労は、健康診断ではわからない。「高プロ」は、付帯決議が付いたが法的効力がない。時間管理・健康管理などをきちんと法整備されることを願う。

中原のり子さん:自死をした医師の夫は馬車馬のように働いていた。今思うと、「高プロ」の先取りだった。「高プロ」の対象商社だけが過労になるわけではない。誰にでも起こる。長時間働けば、病誰でもみつぶれる。これからも、身体を張って訴えていく。

 

寺西笑子さん:夫が、まさか自殺するとは思わなかった。どうすれば死なずにすんだかーそれをライフワークにしてきた。家族の会に入ったり、自分で活動をしたりしてたたかう人は氷山の一角。何もわからずに泣き寝入りする人もたくさんいる。私は、前段の人(過労死する可能性がある人)を守りたい。

労働者性がなにもない「高プロ」に賛成した議員は、わかっているのか?国は。責任を取るのか?

 

高橋幸美さん:娘のまつりは、「東京の夜景は残業をしている会社が作っているのよ」と言っていた。SNSでつらさを発していたが、寝ないで健康は、保てない。勤務間インターバルの規定を望む。深夜まで働いて、朝早く働くことが普通だと思っている人がいるから、「そうではない」と伝えたい。命より大切な仕事はない。

 

会見者の前に置かれた右側の写真は高橋まつりさん、本は高橋幸美さんの著書

佐戸恵美子さん:勤務間インターバル11時間など、命ある限り訴えて行きたい。今日は未和(亡くなった娘)のジャ ケットを着てきた。「仕事で死ねるのは本望」という人がいるが、それはウソ。報道の仕事をしているみなさんは、仕事の希望を言えるか?言える人はいないと思う。みなさん(記者会見場にいる記者たち)が、まず仕事を見つめなおしてほしい。

 

渡辺しのぶさん:夫が元気な時は、労働時間は大したことないと思っていた。でも、長時間労働が原因で死んでしまった。きれいな言葉・耳障りの良い言葉を並べて、遺族や本人の声を聞かずに成立するのか?と思っていたが成立してしまった。過労死は、絶対に出る。「高プロ」を受けないように言って行きたい。

 

木谷晋輔さん:「高プロ」を導入して成果が上がるのか?メリットはどこにあるのか?SE労働者だった同僚は、成果を上げて未来だけでなく現在そのものを失ってしまった。「生きていることに意味がない。生きているのは死ぬよりつらい」とも言っていた。「高プロ」は、労基法に入れられないもの。それが実現してしまった。残念、無念だ。

 

中村也真人さん:私は、ヘルプカード(写真首からかけている赤いカード)を付けています。目に見えない障がいがあって、通勤電車などに乗るのはとてもつらい。けれども、自分の姿より亡くなった人の母・妻・家族の姿を見てほしい。「高プロ」の働き方、家族を持って家のこともしてやっていけるだろうか。これからも、悩む・つらい思いをしている人の力になれるようにしていきたい。

記者会見には、労働弁護団の須田洋平弁護士と玉木一成弁護士も参加していたことを付記します。【写真・文=宮沢さかえ】

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